クリスマスなのでおもちゃネタをもう一つ。バービーと対を成すのは勿論GIジョー

職業を選べるバービーと違って世間の軍人評を反映して意外に浮き沈みが激しく、ベトナム戦争から先は下り坂で、一度は展開が止まっている


レーガン政権になって風向きが良くなり、当時アメトイの標準サイズだった3.75インチになって復活したのが80年代

小さくなった理由にはオイルショックで原料高騰に苦しんだトラウマや、乗り物で稼ぐビジネスモデルの確立などがあるが、言い辛い理由も色々あった


一つは、かつてドイツ兵や日本兵はあまり売れなかったので、敵はお家にある他社の人形でどうぞという割り切ったコンセプト

これだと相手がルークならともかくカークでは内ゲバになってしまうので、メディアミックスの段階になって敵キャラも作られちゃんと売れて丸く収まった

GIジョーは各国で独自展開したが、実はドイツ軍関係が一番豊富なのはナチのトラウマと無縁の日本で、特にSS仕様は日本にしかない(逆に自衛隊仕様は長らく無かった)


もう一つは、ハズブロの女の子向けの看板だったマイリトルポニーとの兼ね合いである

あのポニーは人が乗ってはいけないというタブーがあるのだが、その一方で3.75インチのフィギュアが丁度乗れるサイズに作られている

駄目を承知で人を乗せたい妹と、専用の軍馬より安価な騎兵隊を欲するお兄ちゃんの利害調整である。小道具もサイズが合うので、親も子供もお得という商売


ところが、この二枚看板を世に出したハズブロの御曹司、スティーブン・ハッセンフェルドはGIジョーよりバービーというクチの人物

なのでタイで生身のケンと遊び過ぎた結果、不治の病に取り憑かれて若くして世を去ってしまった

軍拡を進める一方でエイズ対策を疎かにしたレーガンに、彼は助けられも苦しめられもしたのだ

皮肉な話だが、レーガン好みのGIジョーとヒーマンとスタローンとシュワちゃんで育った世代のゲイは、ガタイ専が多いそうである