>>231
自称国際政治学者も10年とか言ってるし

ウクライナ紛争は、10年以上にわたって長期化する可能性が大きい。
停戦までに1カ月以上はかかるだろうし、クリミア等の帰属は15年間棚上げという。2014年のクリミア併合からもう8年が経過するのに、その帰属を巡ってまだ対立が続いたままである。
今回の戦争が終結しても、戦後復興に莫大な時間と費用がかかるであろう。

サミュエル・ハンチントンは『文明の衝突』(原著1996年、邦訳1998年)の中で、1990年以降の世界について、西欧、イスラム、中国など9つの文明圏を挙げた。その1つが「東方正教会」である。

 ロシア、ベラルーシ、ウクライナや旧ユーゴスラビアなどの文明圏である。中でもウクライナについては、「西ウクライナのヨーロッパ化したスラブ人」と「ロシア系スラブ人」との対立に言及し、
それは文化の違いという。つまり、西欧文明と東方正教会文明が1つの国の中で対立しているとし、分裂の可能性があることにも言及している。

 ウクライナが統一を保ち、ロシアと良好な関係を維持していくことは東方正教会文明にとっては極めて重要であるが、この戦争の後、そのような良好な関係に回帰することができるのであろうか。
ソ連邦崩壊後、「西欧文明圏」に属するバルト三国やポーランドがNATOに加盟したケースに比べ、文明という観点からも、ウクライナのNATO加盟が多くの問題を孕んでいることが理解できる。

 EU加盟についても同様である。文明圏という観点からも、持続可能な国際秩序の構築がこれから大きな課題となる。

(舛添 要一:国際政治学者)

https://news.yahoo.co.jp/articles/7c32e6299f02ec3dce242ce725d7ba7ff159a22a