・ヘルソン周辺のロシア軍は比較的軽装であって、
 ウクライナの圧力に晒されている。いずれドニプロ東岸への撤退もあり得るだろう。

・ウクライナはドンバス等へ増援を送っているのに、ロシアはウクライナGLOCの妨害を行っていない。
 ゆえにロシアが成功するかどうかは、よく言って不明瞭であり、
 一方ウクライナは反攻実施のための部隊配備ができつつあるようだ。

・重装備の兵器供与はウクライナの損失を埋め合わせ、予備旅団の装備充足を可能にしている。
 この戦争の一般的な戦力の相関関係はロシア有利とは言えない。

・ロシア軍が緒戦の行動と同じような行動(戦力の分散投入、道路移動への拘束)を取れば、ウクライナに負ける。
 ロシアが改善に努めている面もあるが、ロシア軍の課題のいくつかは構造的なものだ。

・ドボルニコフの総司令官任命は、ほとんど変化をもたらさない。大事なことは、この攻勢のために、
 ロシア軍の指揮統制・航空支援・兵站が整えられたかどうかであり、または、どのように整えられたのかという点にある。

・ドンバスは比較的都市化された地域で、ロシアの軍事目標にはセベロドネツク、スロビャンシク、
 クラマトルスクといった都市も含まれる。市街戦は長期化し、損耗も大きくなる。

・結論(和訳):「この戦争の決定的な時期は最初の3週間(もしかすると最初の4日間とさえ言える)だったと言ってもよいと
 私は考えている。この次のフェイズでどのようなことが起きるとしても、ロシア軍がその攻勢を行うポテンシャルを
 近いうちに消耗してしまう可能性は大きい。 これは膠着状況の予兆か? 必ずしもそうではない。
 ウクライナが攻撃を実行するという選択肢は存在する。今後ロシアは占領地支配を堅固にしようとし、
 また、封鎖によってウクライナへ圧力を掛けようとするかもしれない。
 この次のフェイズがどうなるかを予想するには早すぎるし、それはウクライナの選択にかかっている」