リアルな構造改革をするにも“時すでに遅し”

また、万一、日本が“外国人恐怖症”を拭い去って移民政策を取り始めたとしても、今からではもう遅いのかもしれない。
バス氏はこう指摘していた。

「突然、日本が移民政策を取り始めた場合、日本の給料はどうなるでしょう?
下がります。これは仕方がないことです。
今から、移民対策を講じようとしても無理があるのです。“時すでに遅し”なのです」

それに、人口減少による日本消滅よりも先に、“ヤバい事態”が生じる可能性もある。

「日本にとって必要なのは、経済成長にフォーカスし、構造改革を実施し、労働市場に女性をもっと入れること。
例えば、フィリピン人のヘルスケアワーカーを移民させ、移民たちに日本の女性が今家庭で行っているような仕事を任せ、
日本の女性は労働市場に回帰することもできるはずです。

日本の女性には労働市場で生産的な仕事に従事してもらい、
移民たちに家庭の仕事や両親のケアをしてもらうのです。
また、高齢者を労働市場に回帰させるのもいいでしょう。
しかし、問題はそのような体制作りをするには長い時間がかかるということ。

日本がリアルな構造改革をするには“時すでに遅し”なのです。
日本の財政赤字は莫大過ぎ、チェンジをするには時間もかかるからです。

これは、長い間、政府が問題に気づいていながらもそれを棚上げにし、
長期的視野でプランニングをしてこなかった結果でしょう」

バス氏は“日本経済回復のための処方箋はもはやない”とまで明言していた。
とすれば、“人口減少による日本消滅”より先に日本を待ち受けているのは、
“財政破綻による日本消滅”なのかもしれない。