やがて長い夜が明けてきた。そこらじゅうに散乱する露軍兵士の死体
それに遺棄した武器の数々。DP軽機にモシン小銃、PPsh41等など
夜通し燃え続けていた骨董品のようなT-34の醜悪な残骸
「ウラーッ」「ウラーッ」と製鉄所のそこかしこから宇軍兵士らの大歓声。
勝利を祝う兵士らの空に向けての発砲音が、パパン!パパパン!と鳴り響く。
そしていつしか国歌の大合唱となった。

しかし、あの人は何処を探してもいない。ただ、あの人の名を記したヘルメット一個が
残っていただけ。
カメラは上に引いて行って、青黄色の国旗がちこちに打ち振られる製鉄所の全景に
なる。(映画「アゾフスタリ」のラスト90秒)