ロシア、欧州以外への原油輸出もより困難に 運搬船の「保険」禁じた欧州の制裁
https://www.cnn.co.jp/business/35189117-2.html
ロシアは毎日数十万バレルの原油の輸出先を欧州からインドや中国など別の買い手に振り向けているが、保険の禁止でそれが難しくなる可能性がある。
一方で、こうした措置は世界の原油価格をさらに高騰させるリスクもある。
市場調査会社ケプラーのアナリスト、マット・スミス氏は「保険の側面を標的に選ぶのは、ロシア産原油の流れを単に変えるのではなく、止めるために打つ手として最高だ」と語る。

保険の問題は石油精製企業や輸入者だけの問題ではない。
「無保険や保険不足の船舶は、主要な港や、ボスポラス海峡やスエズ運河といった海上輸送の要衝に入ることが許されない」。ドイツを拠点とするアナリストのセルゲイ・バクレンコ氏は、カーネギー国際平和基金に寄せた投稿でそう記した。

一方ロシアは、保険の禁止に対抗して、国家保証を付与する方策で回避できると公言している。こうした保証は理論上、従来の保険の代わりに利用できるものとなる。ロイター通信は、国営ロシア国家再保険会社がロシア船舶の主要な再保険会社になると伝えた。
ただ、ロシアの提示する方法が十分な解決策になると誰もが考えるわけではなさそうだ。特に、厳しい制裁を受けるロシアが、いざ保険金の支払いが必要な場面で本当にその能力があるのかという疑問はつきまとう。

ブロンズ氏は「より多くの疑念が出てくるだろう。それが原因で購入を希望する国の範囲は狭まると考えられる」と語った。