ベルリン=南毅郎】ドイツ政府は21日、ウクライナへの軍事支援の内訳（供与済み含む）を公表した。これまで高官らが主に口頭で明かしてきたが、公式のリストにして示したのは初めて。

多連装ロケットシステム「MARS」、砲兵検出レーダー「コブラ」といった高性能の兵器だけでなく、医療用品なども提供する。安全確保の観点から、具体的な輸送の方法や時期は開示していない。

地対空ミサイル「スティンガー」500基、自走式りゅう弾砲「パンツァーハウビッツェ2000」7門のほか、1万4900個の対戦車地雷、1600万発の銃弾、10万発の手りゅう弾などを盛り込んだ。装甲車両、暗視ゴーグルも提供している。

ドイツのショルツ政権を巡っては、軍事支援に乗り出す決断が遅かったとの批判が国内外で根強い。独DPA通信によると、支援リストは連邦議会で議員だけが閲覧できる状態だった。ウクライナは追加の武器供与を求めており、独政府は支援リストを順次更新する予定だ。