(前略) 愚かな民衆を支配するには、道理をもって教え諭すことはとても無理なので、威圧して脅して支配するしかない。
     西洋のことわざで言う 「愚かな民の上には厳しい政府がある」 とはこの事である。
     これは政府が厳しいのではなく、愚かな民衆が自ら招いた災いなのだ。
     そして愚かな民の上に厳しい政府があるならば、良い民の上には良い政府がある、という理屈となる。
     今この日本においても、この水準の国民があるから、この水準の政府があるのだ。

     もし仮に国民の道徳の水準が下がって、より無学になる事があったら、政府の法律もより厳しいものとなるだろう。
     もし反対に国民全てが学問を志して、物事の道理を知って文明を身につけるようになれば、政府の法律もより寛大なものとなるだろう。
     法律が厳しかったり寛大であったりするのは、ただ国民に人徳があるか否かによって変化するものなのである。 (後略)


「学問のすすめ」より。 諭吉大先生しゅごい・・・( ^ω^) さすが一万円の人