「大和傍受説」についてもその内容のキモである
「山本長官以下のGF司令部は、第一機動部隊へ転電するか協議した」
という点については個人的に疑問点があります。

宇垣参謀長の『戦藻録』には、そのような記述は無いからです。
(私は未読ですが、『三輪日誌』にも無いらしい?)

このGF司令部の協議内容について『戦史叢書 ミッドウェー海戦』p249には
黒島首席参謀と佐々木航空参謀の2名の証言内容が記載されていますが、
その証言では宇垣参謀長と三和作戦参謀がその場にいたかどうかは不明です。

私が戦史編纂官の立場なら、
「このGF司令部の協議は『戦藻録』には記載されていないが、
宇垣参謀長はその場にいたのか?
いたとしたら何らかの発言はあったのか?」
と必ず質問し、その回答内容を同叢書に記述します。

こんな重要な協議に、宇垣参謀長が参加しないというのは考えられませんからね。
逆に言えば、本当に証言のようなGF司令部協議があったのか疑問も感じます。