【要旨】“ハルキウ攻勢とそれがもたらすもの”Rochan Consultingのムジカ氏によるハルキウ攻勢評価。
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結局のところ、ロシアの問題は人員損失の大きさにある。ムジカ氏は「人員損失は、中期的な期間でさえ埋め合わせができない」と述べる。

兵員保全のためにロシア軍は砲撃戦とその後の威力偵察部隊による突破の試みという戦術を取るが、そこで達成できる戦果は限られ、作戦的勝利に結びつかない。
兵士の数が少ないため、戦術的成果を拡張できないからだ。ロシア軍には、戦術的突破を果たしても、
敵を追撃して、敵防衛線の再構築を阻止する予備部隊が存在しない。
これは、機動力を活かして常にロシア軍に圧力をかけ続け、結果的にロシア軍から組織的防衛能力を
奪ったハルキウ攻勢のウクライナ軍とは正反対である。

また、2016年以降、ロシア軍は装備の回収・メンテナンス能力を強化してきたにも関わらず、ウクライナの戦場でその能力を示すことができていない。
ロシア軍に装備のスペアパーツや潤滑油が不足しているという問題があり、もしかするとメンテナンス要員自体が不足している可能性もある。
ロシア軍がハルキウ攻勢を阻止できなかった理由も、つまるところマンパワー不足にある。ヘルソン方面のウクライナ反攻が伝えられるなか、
ロシア軍はヘルソンを増強するために、ハルキウ~イジュームを手薄にするしかなかった。
なお、この方面を手薄にしたことが、ロシア軍の情報活動の失敗に起因するかどうかは、はっきりとは分からない。
しかし、ウクライナ軍が攻撃部隊として6~8個機動旅団を展開する能力を持っていることを、モスクワが認識していなかった可能性は大きい。

実際には、ウクライナは最も経験豊富な戦闘部隊を展開することができた。

[*ムジカ氏の分析では、主力は次の5個旅団。92nd MB、3rd TB、25th ABB、80th & 95th AAB]
今後の戦争の展開だが、ロシアはおそらくドンバス北部において、少ないとも6カ月は攻勢能力を失うだろう。
その結果、ハルキウ攻勢後の戦争第3フェイズにおける主導権は、キーウが握ることになる。
つまり、攻撃側がキーウで、モスクワは全般的に守勢となる。
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