>>865の続き

「お前たち、このローリングで魚雷を抱えたまま、みごと発艦できるか」
声はやさしく、口元には笑みを浮かべて、だが視線は厳しく、
搭乗員ひとりひとりの顔に注がれていた。

「やれます!」「やらせてください!」
たちまち返事が返ってきた。

長官はそれを聞いて、深くうなずき、「よしわかった」
草鹿参謀長の方を向いて、
「参謀長、いいではないか、出してやろう」

これで雷撃隊の発艦も決まり、搭乗員たちは喜び勇んで
飛行甲板に降りて行ったとか。