>>264
その通り。
つか、いわゆる「第三次世界大戦ブーム」と「仮想戦記ブーム」って別物なんよ。
後者は「連合艦隊ついに勝つ」とかはあったけど、基本的には檜山良昭の「決戦」シリーズと「大逆転シリーズ」でマニア層の心をつかむに留まる。
何しろ日本勝てないし。

ブームとして大きく取り上げられたのが「紺碧の艦隊」で、ちょうどバブル崩壊で日本人の鬱憤がたまり出した波に乗ったんだな。
大石英司の「第二次太平洋戦争」なんかもそうだが、執筆時点ではまだバブル末期、「アメリカを買い取る勢いという幻想」に乗って、一番調子に乗ってた頃だ。

そこからバブルが弾け、転がり落ちるように底なし沼へハマる日本だが、1990年代前半ってまだバブル時代の栄光の記憶が残ってて、
「俺たちはスゴイんだぞぉ!今ちょっと調子が悪いだけで、アメリカだろうが何だろうがふじこふじこ!!」
って、今考えるとワケわからん事をブツブツ言ってた。
(高度経済成長期やバブル時代にイイ想いした「老害」のアレよ)

で、そういう連中にとって、「大和とゼロ戦は日本の誇り!当時の軍人がバカだっただけで、ちゃんとわかってるやつがうまく戦えばふじこふじこ!」
というわけで、その願望を叶えてくれた火葬戦記はいいストレスのはけ口となり、新聞でも紹介される社会現象になる。
(出版社も新聞に広告ガンガン出しちゃうし)

そういう連中は兵器がどうだのスペックがどうだのってのは、「難しくてワカンナーイ」なもんで(何しろバブルのお気楽連中だ)、知識のある人間からすりゃ
いろいろオカシイ事はどうでもいいというか、気づきもしない。
いや、気づいてしまってはいけないんだ。死にたくなるから。

本質的には、1970年代末から1980年代はじめの第3次世界大戦ブームもそうなんだけどね。
オイルショックでゲンナリしてた日本で、ソ連が攻めてくるぞぉ!やっつけるぞぉ!アメリカの力で大和魂見せたるわ!ってワケだ。

要するに仮想戦記ブームってのは、「鬱々とした世の中からの逃避」のために求められたものなんよ。
今はそれが、なろう系転生/異世界ラノベに置き換わってるが、本質は同じだな。