それで分かってきたのが(いや、分かっていたのだが)、双方の「A2/ADの範囲内」では「ノーマンズエアー(無人の空)」が生まれる。
そこでは、もはや空軍単独での作戦は損害を増すだけで、無人機を運用するか、あるいは他の軍種との「領域横断作戦」しか選択肢がない。

では、航空作戦の全体の意義はどうなるかと言えば、拡大した戦域において「operational」に使用されるんだ。

ウクライナの事例で言えば、「ウクライナ上空」だけでなく、「東欧上空」も含め、さらに「グローバルなアクセス」を考慮した「全体的な航空優勢の確保」が空軍の役割です。

ウクライナ空軍及びNATO空軍は、グローバルなアクセスを維持しており、これにより友好国からの空輸による兵站支援が可能になる。
さらに、より外側からのリモートセンシング(AWACS、J-STAR)による情報優越を確保。

現況、ロシアはこれを打破することができない。
大きく空域を俯瞰すると、実はロシア空軍は極めて劣勢なのだ。だから押されている。
そして、この本質に気づかず戦争に敗けるだろう。
ウクライナの民間施設を感情任せに叩いているようではね。