何かの戦記で、上靴(営内靴とも。要するにスリッパ)の片方を盗まれるか亡くすかした兵隊が、
上靴の甲と底を引き裂くという力業で、員数検査を乗り切ったって話を読んだことがある。
「片方は底が剥がれ、もう片方は甲が剥がれましたが、左右はちゃんと揃っていて、1足分です」
と強弁したそうな。
どちらにしろ、陛下からお預かりした被服を破損したとして制裁を受けそうなもんだが、
帝国陸軍では、物品の紛失よりも破損の方が罪が軽かったのだろうか?