ISWによるロシア冬季攻勢評価
https://www.understandingwar.org/backgrounder/russian-offensive-campaign-assessment-february-19-2023
ISWは、本日2月19日、キャンペーン・アップデート(略称)を発表する。本報告書では、
ロシアの地上軍全体の戦力と、すでに積極的な作戦に投入されているロシア軍の評価に基づいて、
この冬にロシア軍の攻撃作戦が大幅に増加する可能性は低いと予測しています。

ルハンスク州におけるロシアの攻撃作戦の主要な段階が進行中であり、
ロシアにはこの冬の攻撃規模や強度を劇的に増大させるだけの未投入の予備兵力がない可能性が高い。
ロシアの通常陸上部隊は一般に、大隊戦術グループやその他のアドホックな構造ではなく、
通常の教義上の編成や単位で展開し、戦っている。重要な戦車部隊の欠落は、
ロシア軍が以前の攻撃作戦の失敗で失った装備(特に戦車)の補充に苦心していることを示唆している。
ロシア軍には、ほぼ間違いなく、再建された機械化部隊の予備があるが、
これらの限られた予備をルハンスク州の前線に投入しても、進行中の攻勢を劇的に変化させることはできそうにない。
ロシア軍の攻勢はしばらく続き、最後の予備兵力が投入されれば一時的に勢いを増すかもしれないが、
目標を大きく下回り、作戦上大きな利益を得るには至らない可能性が非常に高い。

ルハンスク州における現在の投入パターンは、この地域のロシア軍が軍管区レベルから
少なくとも旅団・連隊レベルまで、おそらく大隊レベルまで、教義上の単位と編成で配備していることを示唆している。
ルハンスク州の前線とその付近で活動するロシア軍は、ほぼ完全に西部軍管区(WMD)から引き抜いており、
他の部隊から若干の増援がある。このような配置は、ロシア軍司令部が、地理的に離れた地域のすべての
部隊を一つの軍管区の責任範囲に置くという、伝統的な軍管区指揮統制構造に戻ったことを示唆している。
2 個の大量破壊兵器師団(第144機動小銃師団と第3機動小銃師団)は、それぞれ機動連隊を一列に配備し、
師団司令官が師団本来の機能を発揮できるようにしている。これらの連隊は動員された人員で再構成されており、
ロシア司令部は動員された兵士をその場しのぎの陣形を作るのではなく、教義上の構造の代替品として使用していることがわかる。