「檻のない監獄」を生きる中2女子「私たちに死んでほしいの・・・」 仮放免、生活保護もない子どもたち
https://www.tokyo-np.co.jp/article/243490
埼玉県内の古いアパート。両親、3人の妹や弟と暮らすクルド人の中学2年生女子、
セレンさん(13)=仮名=は悲痛な声で語る。
2022年10月、2歳の妹が39度の熱を出した。2日たっても下がらず、
両親は病院に連れていくことも考えた。しかし、一家は健康保険証がなく、
治療費は全額自己負担。市販薬で幸い回復したが、「今度誰かが病気になったら…」。
不安は尽きない。
保険証がないのは一家が日本での在留資格がない、違法状態の非正規滞在者のためだ。
クルド人はトルコなどの少数民族。父は10年に来日し「母国で迫害された」と難民申請した。
しかし、出入国在留管理庁(入管庁)から不認定とされ、在留資格がないまま申請を繰り返している。
別に難民申請をした残りの家族は当初在留資格を与えられていたが、
22年8月に不認定が決まり在留資格を失った。
クルド人 独自の言語と文化をもつ民族で推定人口は約3000万人。
「国を持たない最大の民族」と呼ばれ、トルコ、イラク、シリアなどにまたがって居住。
トルコでは弾圧が激しく多くの人が難民として逃れており、国連(推計)によると2011年から
9年で世界各国で約5万人のクルド人が難民認定された。
日本でも埼玉県蕨市や川口市に約2000人が住んでいるが、国内では難民認定例はほとんどなく、
昨年1人が認定されたにとどまる。
現行制度では、在留資格がない非正規滞在の外国人は入管施設へ収容するのが原則だ。
ただ一定の条件を満たす人は「仮放免」として、入管施設外での生活を認められる。
一見自由にも映る立場だが「おりのない監獄」(ある仮放免者)と呼ばれるほど制限だらけ。
セレンさんの生活も22年8月から一変した。
まず県外に出られない。「夢だった東京ディズニーランドはあきらめました」
何より働いて収入を得ることが禁止だ。同郷の親戚の援助に頼らざるを得ない生活。
「高校生になったらアルバイトで家族を助けたいけどそれもできない」。生活保護も受けられない。

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日本にたからないで本国トルコに帰れ