ニューズウィーク日本版
日本は「非魅力的」な旅行先...海外の超富裕層がガッカリする理由とは?

だが欧米や中東の旅行者は、日本人のように勤勉に観光しない。
一カ所の観光地にゆっくり時間を取るし、集合時間を守らない人も多くて、
予定を詰め込むのは不可能である。そういう余裕のあるスケジュールのため、
外国人観光客は夜になっても元気いっぱいで、夕食後も遊びに出かけたい。
だが日本には外国人客が集まって大騒ぎできるような遊び場が少ないようである。
何よりもよく聞くのは、お金はいくらでも出せるのに対応してくれる店やサービスがない、という話だ。
夜の東京を空から眺めるヘリコプターサービスやリムジンの送迎サービスを探しても、
どこも数が少なく、出払っていて対応できないと言われる。
昼食付きの東京湾クルーズも、数日前のリクエストには応じてもらえない。
ある時、富豪一家から1~2カ月間遊びに行きたいから、広くて豪華な一戸建て(邸宅と言うべきだろう)を
5軒借りたい、賃料に糸目はつけないから探してほしい、とリクエストを受けたが、見つからなかった。
Airbnbでも、東京の短期賃貸向け物件は小さな戸建てしか掲載されていない。
私の知り合いのアメリカの別荘は、夏の2カ月間だけ約2000万円で貸せるそうだ。
そういう物件が日本では見つからない。
だがコロナ禍がやっと終わろうとしている今、日本はもっとインバウンドを呼び込み、
大きなお金を落としてくれる外国人客を待望している。
彼らのために、日本はどこまでルールを曲げ、金のためにプライドを捨ててニコニコできるだろうか。
札束で?を張るようなことをされたことのない日本人にとって、インバウンドのカルチャーショックは
これからが本番だろう。

石野シャハラン

くそみたいな名前の記者だな。富豪は日本に来るな