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>マッキンダーやスパイクマンは、ハートランドの脅威を過大評価

時代背景(19世紀から20世紀初頭)てのがあって、当時の陸上輸送は
「鉄道輸送(蒸気機関)の興隆期」でした。
海上輸送側は帆船と石炭機関の蒸気船。
どっちが技術的に優位か、まだ判別し難い時代でした。

軍事的には、モルトケ率いるプロイセン軍が、鉄道輸送を活用した分進合撃で
中世からの歴史的な勢力であるオーストリア軍を包囲殲滅した。
そして、ロシアも鉄道を整備しはじめ、シベリアを鉄道で横断して極東にまで軍事力を投射し始めた。

マッキンダーの祖国、イギリスから見て、その恐怖たるや。
今、我々がチャイナの一帯一路の感じて恐怖の比ではないと思う。

その時、イギリスは「海上からだけで陸上を制するのは、もはや無理だ」と判断して苦渋の決断をした。
アフリカ西部の植民地をフランスに割譲して、欧州大陸内に同盟国を作った。
そして、究極的には海上派遣を奪われることを覚悟しつつ、アメリカと同盟を結び、
欧州の戦いに引きずり込んだ。

そういう時代背景の中のハートランド論。