EUが環境問題に熱心な理由は? 背後にある“アメリカへの挑戦状”
https://shuchi.php.co.jp/article/10398

> 地球温暖化というテーマに関して、経済への影響を考えて消極的な米中に対して、積極的なのが
>EUである。ここで彼らが言い出したキーワードは「デカップリング」である。これはアメリカが
>取り入れられない考え方である。
> デカップリングとはカップル(くっつく)の反対、すなわち「切り離す」という意味である。
>これまでの政治の常識では、経済成長とエネルギー消費は「カップル」であり、国の成長のため
>にはエネルギーが必要というものであった。このエネルギーの中心は、石油というカーボン・
>エネルギー(カーボンを出すエネルギー)である。
> デカップリングとは、経済成長とエネルギー問題を切り離すという考え方である。つまり、これ
>までの常識である「経済発展のためにカーボン・エネルギーが必要」という主張を覆し、
>「カーボンを削減しても経済を成長させることができる」というものである。
> この仮説こそが、EUがカーボン・ニュートラルへ踏み込んだ理由である。そしてこの「成長」は、
>これまで考えてきた「企業利益の増大」ではなく、「社会利益の増大=国民の幸福」である。
> アメリカは資本主義(「企業のカネ」=「資本」が社会を発展させる)であるが、ヨーロッパは
>社会主義(社会利益を国が守る)である。つまりそもそも政治の考え方(イデオロギー)が
>違っている。ヨーロッパでは社会利益のために国が企業をコントロールすることができる。
> もう一つ、アメリカとヨーロッパで異なっている点がある。それは石油である。ヨーロッパはこれ
>までの石油に頼った経済運営が、自らの国際競争力を落としてしまったと感じている。