計画では防空能力の柱として、新イージス搭載艦2隻の建造費などに計4千億円を充てた。
だが23年度当初予算ですでに2208億円を計上しており、
今回の要求額の3797億円を加えると、計6千億円を超える。

防衛省は計画から8カ月あまりで1・5倍に膨らんだ理由として、
円安や資材・労務費の高騰のほか、装備の機能強化を挙げる。

新型護衛艦の建造費も、敵基地攻撃能力(反撃能力)に使う長射程ミサイルの搭載など
設計を変更したとして、整備計画時点から1隻あたり約200億円増加。

だがそもそも護衛艦への長射程ミサイル搭載は計画で明記されていたことだ。

 輸送ヘリ「CH47」17機の取得費も1機あたり約200億円に上り、
関係者によると、防衛費の上振れに伴い当初予定から取得数を減らした結果、
1機あたり約50億円高くなったという。

予算編成の経験がある防衛省幹部は
「最新鋭のステルス戦闘機でも1機150億円ほど。
防衛予算の膨張を受けた、企業の便乗値上げではないのか」
と査定の甘さを指摘する。