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>2月17日朝、敵空襲によって目を覚まし柴田は急いで機体を上空へ発進させる。出撃した31機中、10機ほどが帰還し18名未帰還。敵は戦闘機隊であったため空中被害が大きく地上被害は小さかった。次の攻撃に備え6機しか用意できない状態になり、しかも搭乗員も小隊長以外初心者となった。続く敵来襲によって最後には1機になった。柴田によれば運に任せて空中退避を目的にしたという[33]。この柴田の上空発進命令に飛行隊長・倉兼義男大尉はうろたえながら発進を指示した。指揮官として地上で零戦を失うくらいなら戦って失った方が得策でも、隊員はほぼ戦闘未経験者でベテランもマラリアにかかっており上がれば必ず落とされる状況だった。前田飛曹長は拳銃を向けて「こんな大群に2、3機上がって何になる。てめえらはそんなに下士官を殺したいのか。そんなに殺したきゃ死んでやるから見てろ」と言って戦闘機で敵機に体当たりして死亡した[34]。