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朝日新聞

インスタもツイッターも遮断 狭まるロシアのネット空間、VPNも抜け道にならず

ロシアによるウクライナ侵攻を契機に、インターネットからロシアを切り離す動きが起きている。

モスクワに暮らすティモール・アイシンさん(27)は、オンラインの取材に対して、パソコンの画面越しにスマホをかざして言った。
「よく使っていたツイッターとインスタグラムは、3月に入ってから使えなくなった。アプリを開くと、データを読み込んでいることを示す輪がぐるぐる回っているだけになるんだ」

モスクワ出身のユージーン・マグダリットさん(30)は、ロシアの反政府運動のニュースなどの映像を撮影・編集する映像プロデューサーだったが、3月中旬、カザフスタンを経由してジョージアへと逃れた。
ウクライナ侵攻前後から、反政府運動などのニュースを流してきた周囲の知人たちの家には、次々と家宅捜索が入り、逮捕者も出始めていたためだ。
「一般市民はまともなニュースや情報を得る手段を失いつつある」と嘆く。
マグダリットさんの家に警察が来たのは、家を出た2日後だった。

ヴィシェゴロデツェフさんはいう。
「ロシア人が自由にアクセスできるインターネット空間は現時点で存在しない。ロシアの軍事侵攻をきっかけに、スプリンターネットの脅威が進んでしまった」

影響はロシアでビジネスをする日本人にも及んでいる。
14年からロシアに住む日本食レストランなどの経営者の廣瀬功さんは、SNSで起きた異変に振り回されている。
これまで主にインスタグラムを使ってPRに努めてきたが、それができなくなった。「積み上げてきたフォロワーという大きな資産が無くなってしまった。

ロシア通信当局は3月4日、ロシアからFBへのアクセスをブロックしたと発表。
傘下のインスタグラムも同月中にブロックした。

ツイッターは2020年から、国営メディアのアカウントにそれとわかるラベル付けをしていたが、ウクライナ侵攻が始まってからはロシアの国営メディアが発信する記事へのリンクにも対応を始めた。
ロシア通信当局は国内からのツイッターへのアクセスをブロックして報復に出た。