水も食料もない「極限状態」のガザの人たち ハマスの攻撃をどういう思いで見ているのか (アエラ 11/14)
(前略)
驚いたのは、ハマスが5千発ものロケット弾を撃ったことです。
ガザの民衆の貧困をずっと見てきた私からすると、「どこにそんな金があったんだ」と。
同じく民衆が貧困に苦しむ中で核兵器を作り、ミサイルを発射している北朝鮮と、ふとイメージが重なりました。

日本国内の反応で違和感を持つことがあります。
とくにパレスチナの支援運動をする人の中に、ハマスの行為を「占領への抵抗の闘い」と言う人がいます。

私は、それは違うと思う。野外音楽祭での無差別乱射など、ハマスがやったことは紛れもなく「テロ」であり、「虐殺」です。
そうきちんと定義しないと、その後のイスラエルによる攻撃で一般市民がすさまじい勢いで殺されることに対して、パレスチナ人は
“道義的な正当性”を失い、イスラエルの行為が「テロだ」と言えなくなります。

錦田:私も、少なくとも音楽祭での民間人をターゲットにした行為はテロだと思っています。
客観的に両者の行為をテロと位置づけ、お互いの責任を取らせないといけない。
(中略)
錦田:民衆とハマスは完全に分断された存在とお考えですか。
土井:私のコーディネーターは旧ツイッター(X)とフェイスブックで民衆の声をモニタリングしていますが、最初の奇襲攻撃直後は
民衆の多くは溜飲を下げ、ハマスの攻撃を支持した。 でも2日後くらいから空気が変わってきました。

原因はイスラエルによるすさまじい報復です。 
決定的な転換期は10月17日のアル・アハリ病院への攻撃。 ガザ住民の9割は「イスラエルによる攻撃」と考えている。
パレスチナ側のロケット弾であれほど大きな爆発が起こるはずがないと。
そして目の前で500人近いパレスチナ人の女性や子どもが血まみれで殺されているのを見る。
「なぜこんなことが起こるんだ?」と。(続く)