ウクライナ敗戦」を世界大戦へ拡大させるな - 的場昭弘 (東洋経済) 
ロシア「ゲラシモフ・ドクトリン」による戦争の結末

ウクライナは虚偽の情報を流し、ロシアは不利な情報を隠す。ともにプロパガンダだが、内容は異なる。もっぱらウクライナの情報に従っているNATO諸国は、この情報によってこの戦争に簡単に勝利できるものだと支援を強化したが、それが真実ではなかったことで、大混乱に陥っているというわけだ。

戦争中の日本のように、うその情報が出てくると、それを払拭するのは簡単ではない。ロシアの残虐性や非道性への非難が拡大するだけで、戦況や相手の意図がわからなくなる。

ロシアはロシアで、情報が入らないことで、相手の言い分が入ってこない。国民はいたずらに勝利に向かって愛国心を燃やすだけである。

要するに、停戦を生み出す理解がお互いに得られなくなっているのだ。戦争が終われば、両国民さらには世界が、この戦争の現実をしっかりと知ることになるだろう。だが、今のところプロパガンダに振り回され、敵意をむき出しにして、終わるところを知らない。

ウクライナに限っていえば、戦争の決着はすでについているといえる。後は、第3次世界大戦という愚かな戦争へ至らないための政治的決着をどうするかが残っているだけなのだ。

https://toyokeizai.net/articles/-/728632