キエフとモスクワの停戦交渉への壁
2024/1/24

・キエフとモスクワの間には少なくとも6つの妥協を妨げる障害がある
・両国の憲法、両国の国内状況、ロシアにとってのクリミア、東欧州の歴史が問題
・ウクライナの場合国土の割譲には憲法改正が必要であるが簡単ではない
・ウクライナ議会、最高議会の2/3の賛成が求められるが、絶対に成立しない
・なぜなら2015年ポロシェンコがミンスク合意履行のための僅かな憲法改正案ですら大きな衝突
・キエフ中心部では死者も発生し、憲法改正案は通らない
・ロシアの憲法改正手続きは更に複雑で非現実的
・両国には政治的妥協に対して絶対に反対する強硬派が存在する
・第二次大戦後、欧州最大の戦争を終わらせる為、象徴的譲歩であっても国内政治的には困難
・僅かな融和的譲歩ですら国内的には「国家反逆行為」とみなされ弾圧対象
・ロシアの強硬派は現在の領土拡大でさえ不十分でオデッサやムィコラーイウさえロシア領を主張
・ウクライナのNATO加盟は絶対に認められず、恒久的非加盟を主張する
・キエフとモスクワにとって和平協定どころか、停戦の達成すら何らかの譲歩が求められるため困難
・プーチンにとってクリミアは南オセチア、ドネツク、アブハジア、ザポリージャよりも遥かに重要資産
・クリミアでロシア人が多数派になってわずか80年だが、この80年がロシア人にとっての神話
・2014年の占領後、クリミアの持続的発展にはクリミア北部のウクライナ領土が必要であることに気づく
・クリミアの飛び地化はロシアにとって戦略的経済的に意味がない
・ウクライナ以外の部外者からみればクリミアは交渉対象で妥協の手段と映っているが、現実は違う
・早期の停戦を妨げる最大の問題はロシアに対する歴史的経験と懐疑論
・東中欧の歴史はロシアが外交的合意に従わない歴史そのもの
・軍事的失敗に直面した場合のみ、モスクワはキエフとの妥協案を模索する
・ミンスク合意は当時の武力衝突を沈静化させたが、2022年のエスカレーションを準備したとも言える
・早期の停戦合意は、戦争の延長でしかなく戦争の解決にならない
・20014年、キエフはクリミアのトラジディに武器を使わず平和裏に対応した
・当時西側はそれを称賛したが、その結果が第二次大戦後、欧州で最大の大虐殺につながる