〈キリル1世が総主教になる前に面識があった欧州のある外交官は同氏について、「現実主義者で柔軟、聖職者というよりは出世欲の強い官僚のようだった」と評する。3万ドルのスイス高級時計ブレゲを身に着けている写真が出回り、釈明に追われたこともある。他の政権幹部と同様に、プーチンに忠実な部下のような横顔も浮かんでくる。〉

核兵器を「祝福」
 プーチン大統領と一体になって権力をふるうキリル1世は、およそキリスト教の教えにふさわしくない言動を繰り返す。他の聖職者たちに闘争を呼び掛けたり、戦争で使われる武器を「祝福」しているというのである。古川氏はこう指摘する。