ロシアのウクライナ領内進軍、今年大きく鈍化−強気の外交とは裏腹
2025年5月22日 1:50 JST
プーチン氏は優位強調も、今年広げた占領地はウクライナの0.15%
ドネツク州だけで完全制圧に数年、ウクライナ全土は100年以上必要に

ロシア軍は戦争で優位に立っていると、プーチン大統領は主張する。だが実際は、
ウクライナ軍の頑強な抵抗を受け、今年に入ってからはわずかな前進しか遂げていない。
  ロシア軍は常に数で勝り、制圧地域を着実に広げてはいる。それでも戦場の様子は、
プーチン氏が戦争目標を達成するには程遠いことが示唆される。オープンソースの地図
データを手がけるディープステートがまとめたデータによると、ウクライナ東部における年初
からのロシア軍の前進ペースは、昨年末までの同じぐらいの期間と比べ、半分程度に減速した。

カーネギー国際平和財団のロシア・ユーラシア上級研究員、エリック・チャラメッラ氏は
「4州全てを速やかに制圧できるとのプーチン氏の考えは、全く現実的でない。
近い将来ですらない」と指摘。ウクライナの防御網がかなり発達していることを考慮すれば、
ロシアは「局地的な突破しかできないだろう」と述べた。