>>190
「民主主義なんて搾取の方便だ」という見方は一面的すぎる。確かに民主主義国家でも不正や腐敗はあるし、国民に負担が押し付けられることもある。しかし決定的な違いは「法の支配」と「自浄作用」があるかどうかだ。





民主主義国家では政治家が不正をすれば、メディアが追及し、議会や司法で調査され、最終的に選挙で交代させることができる。ウォーターゲート事件や日本の閣僚辞任、政権交代の例がそれだ。つまり、国民が不満を抱いたときに「やり直す仕組み」が用意されている。

一方ロシアのような独裁体制では、法は権力者の道具でしかなく、汚職や横領が表沙汰になっても「隠蔽か粛清」で片付けられる。選挙は形だけで、国民が権力を変える権利は存在しない。責任は一方的に押し付けられるだけで、政権を選び替える手段すら奪われている。

だから「民主主義=搾取の道具」という言い方は間違い。搾取は独裁でも民主主義でも起こり得る普遍的現象だが、違いは「是正できる仕組みがあるかどうか」だ。民主主義は不完全でも法の支配と自浄作用を内蔵しているのに対し、ロシアや北朝鮮など独裁はそれを意図的に排除している。ここを無視して両者を同列に語るのは現実を見ていない。