ウクライナで捕虜となった北朝鮮兵士が韓国への亡命を希望
https://koreajoongangdaily.joins.com/news/2025-10-31/national/northKorea/Captured-North-Korean-war-prisoners-in-Ukraine-ask-to-be-brought-to-South-Korea/2433800
姓「ペク(Baek)」と「リ(Ri)」の北朝鮮兵士2名。いずれも20代。 2025年初頭、ロシア西部クルスク州で戦闘中にウクライナ軍に捕らえられた。ゼレンスキー大統領が1月に公表しており、当時から話題になっていた。
ウクライナ・キーウ近郊の捕虜収容所に拘束中。025年10月28日に韓国のドキュメンタリー制作者キム・ヨンミ氏と面会。面会を支援したのは韓国の脱北者団体「ジャン・セヨル」代表。
彼らは面会の際に涙を流しながら「私たちを韓国に連れて行ってほしい」と訴えたという。以前(2月時点)には1人のみが亡命の意志を示していたが、今回は2人とも韓国行きを希望。
北朝鮮へ戻されれば「死刑同然」とみられる(韓国国会議員ユ・ヨンウォンの発言)。捕獲時に顎を負傷していた1人は回復したものの、骨の歪みが残る。全体的には健康。精神的には不安定で、自傷を試みたこともあるとウクライナ側が報告。
要望物資は目薬、ニット製品、ズボン、タバコ、ペン、本など。 興味深い点として、ベッドの上に金正恩の手描き肖像画を飾っている写真が公表されている。これは監視のためか、心理的防衛反応かは不明。

韓国政府はウクライナ政府に「本人の意思が確認できれば受け入れる用意がある」と通達済み。しかし移送については進展がない。ウクライナ側は捕虜として扱い、国際法(ジュネーブ条約)に従い人道的待遇を維持している。
朝鮮戦争以降、北朝鮮兵が第三国で捕虜となり、韓国亡命を希望する事例は極めて稀。ウクライナが韓国への送還を認めれば、韓国と北朝鮮との間で外交摩擦は必至。一方で韓国が拒否すれば、人道的批判を招く可能性。
北朝鮮の若い兵士が「南へ行きたい」と明言したこと自体、体制内プロパガンダと現実の落差を露呈している。金正恩政権にとっては非常に不都合な逸話であり、報復的宣伝や隠蔽が予想される。