ネオコンとロシア:ウクライナ戦争のもう一つの視座(2022年08月23日 )
https://nihonkosoforum.org/report/20220823/

〉この戦争の動向を知らせる戦況地図の出典が、実は日本の各メディアどこも同じであることに気づかれましたでしょうか。それもそのはずで、どのメディアもアメリカのある組織が発表したものを一貫して使用しつづけています。
日本だけでなくアメリカ、それからイギリスでも、メディアは同じようにその組織が発表する情報をそのまま報道と言いますか、垂れ流しをしています。NHKや朝日新聞はもとよりBBCやニューヨーク・タイムズでさえ、裏取り、つまりその情報の正確性や信頼性を確認した上で報道しているわけではありません。しかも、その組織がアメリカのいちNGOに過ぎないと聞いたら、ちょっと驚かれるでしょうか?

その組織とは「戦争研究所(ISW: Institute for the Study of War)」という名前のシンクタンクです。ISWは、ウクライナの戦況の移り変わりをまるで天気予報のように毎日Webサイト上で公表していますが、もちろんISWの特派員がウクライナに多数派遣されていて、現地の情報を隈なくチェックしているわけではありません。それはアメリカ政府も同じ状況です。ISWは基本的には民間の衛星企業から入手した衛星写真を元に、アメリカ政府のインテリジェンス・コミュニティがリークする戦況分析を公表しているわけです。