米国がウクライナに望んでいること:いずれにせよドンバスから撤退すること
https://www.politico.eu/article/us-wants-from-ukraine-leave-donbas-one-way-or-another/
米国とウクライナの和平協議は、「ドンバスをどうするか」という一点でつまずいている。
アメリカの立場は極めて明確で、ウクライナがドンバス全域から撤退する形で領土を放棄する方法を探っていると欧州高官が明かした。

匿名の欧州高官によれば、アメリカは「ロシアが要求する領土放棄をどう実現させるか」に強い関心を持っており、避けられない前提として扱っている。
いまウクライナはドンバスの約30%(主にドネツク州の一部)を維持しているが、米国はこれを明け渡す方向で合意を急いでいる。

ウクライナ政府は、戦争の「現状ライン」で凍結する以外に現実的な選択肢はないと主張している。
ロシア側はさらに領土を要求し、都市スラビャンスクとクラマトルスク(人口10万以上)を含む残存地域の放棄を迫っている。

ゼレンスキー政権は、これを認めればプーチンがさらに野心を拡大し、ドニプロ、ザポリージャ、ハルキウ方面へ侵攻が続くと警告している。
ゼレンスキーは8月に、ロシアがドンバス全域を占領するには「約4年かかる」と述べた。

トランプ大統領は合意の進展が遅いことに不満を示しており、アメリカ側の和平案にゼレンスキーが十分目を通していないと発言した。
欧州高官は、トランプが急ぎすぎるため、米側交渉チームが「遅延の責任は自分たちではない」と説明する必要に迫られていると述べている。

プーチンは「ドンバスは最終的に取る」と発言。ロシアは現在の占領地以上の譲歩をウクライナに迫っている。

欧州高官は、アメリカが仲介者として中立を保つのか、ロシア寄りに傾くのかが最大の不安要素だと述べ、ウクライナ側は、和平合意後の安全保障の保証内容についてもアメリカの明確な回答を待っている。