妊産婦、10年で63人自殺=うつ病など、東京23区で

http://www.jiji.com/jc/article?k=2016050700041&;g=soc

うつ病などで自殺した妊産婦が東京23区で2014年までの10年間に63人いたことが、
東京都監察医務院と順天堂大の調査で7日までに分かった。
出産時の出血などによる死亡の2倍に相当し、専門家は精神面の支援策が必要だと指摘している。

調査によると、05〜14年に自殺した妊娠中から産後1年までの女性は63人。
うち妊婦は23人で、妊娠2カ月での自殺が最多。出産後の女性は40人で、産後4カ月が多かった。

うつ病や産後うつなどの精神疾患と診断されていたのは妊婦の4割、産婦の6割。
診断のない人でも、実際には疾患があったのに受診していなかった例が含まれる可能性があるという。

都によると、23区では同期間に約72万3000人が出生。妊産婦の自殺は10万人当たり約8.5人だった計算になり、
出血などでの妊産婦死亡(都内で05〜13年に10万人当たり約4人)の2倍程度に相当する。 

妊産婦はホルモンや生活の変化、周囲からの孤立により、ストレスを受けやすい。
調査に当たった竹田省順天堂大教授は「自殺リスクの高い妊産婦を把握し、カウンセリングなどを行う体制が必要だ」と述べている。