さっきスーパーで遭遇したキチの話
当方若はげで開き直って完全脱毛スキンヘッドにしたアラサー男
近所のスーパーに買い物に行くときには愛用の藍染の作務衣で行くことから、なじみの店員さんには住職と呼ばれている
別に仏門に帰依したわけでもないので肉も食うし酒も嗜むが、そこをネタに
「この生臭坊主がwww」
とレジ打ちのおばちゃん(中学時代の同級生のおっかさん)にからかわれたりする

そんななじみのスーパーだが、最近近くの土地を開発して住宅街にしたこともあり新しくこの土地に来た人もちらほら見かける
今回遭遇した子連れの女もそんな連中の一人だと思われる

いつも通りおばさまたちとのタイムセールの戦いを制し、戦利品である鶏むね肉(1kg入り500円税抜き)を手にご機嫌でレジを通過
索荷台で買った品をエコバッグに詰めていると、唐突に後ろから現れたどぎついピンクのマニキュアを塗った手が鶏むね肉(1kg入り500円税抜き)を掴んだ
驚いて振り返ると、化粧の濃い40ぐらいと思しき女が立っていた
振り返った俺を見て、なにやら得意げな顔でその女が語り始めるに

「いい年した男がこんなさびれたスーパーで買い物してみっともない」
「人に譲ることもせず、セール品を得意げに買うなんて大人げない。むしろ浅ましすぎてかわいそう」
「あなたがこれ以上見苦しい姿をさらさなくて済むように、あなたが買った商品は私が引き取ってあげる」
「そもそもお坊さんが肉を食べようとするなんて……」

「法律違反よ!!」

どや顔を浮かべながらビシッ!と俺に指を突き付けたBBAは、まもなく走ってやってきた警備員に裏側に連れてかれた
わめきながら連れていかれるBBAとそのあとを無表情でついていく少年(6歳ぐらい?)を見送りながら、法律違反の宣告がツボに入った俺は笑いすぎて過呼吸を起こし悶絶する羽目になった