昨年(2017年)、欧米の男性の精子の数が40年間で半減したという調査結果が発表された。
NHKも20〜50代の日本人男性9人の精子を調べたが、5人が自然妊娠が可能とされるWHO基準を下回っていた。
都内のクリニックが3年間にわたり564人(平均年齢35歳)の精子の濃度や運動率を検査したところ、17%が基準を下回っていた。

「一見、元気な精子でもDNAが損傷しているものがあることがわかってきました」と武田真一キャスターが取り上げた。
精子の数や運動率に問題がなくても、精子のDNAの損傷で「老化」していることがあり、そうした精子は受精卵を活性化・分裂させることができず、不妊の原因となると考えられている。
個人差はあるが、35歳以降、精子の老化が進行するという。

肥満、睡眠不足でDNA傷つき「老化」
獨協医科大学の岡田弘教授は「精子の質というものを検査することが大事になってきます。
精子さえいれば子供ができるかといえば、そうはいかない。
年齢的に子供ができにくくなるのは女性だけではありません」

田中泉キャスター「不妊の原因の半数は、男性にあることがわかってきています」

男性不妊を研究している泌尿器科医の小堀善友さんは、精子が老化する原因は環境の変化とライフスタイルの変化の2つが考えられるという。
「さまざまな環境が精子に悪影響を及ぼす可能性があります。たとえば、大気汚染の原因となるPM2.5が精子に悪影響を及ぼすというデータがあります。

また、この数十年で、人間のライフスタイルが大きく変わってきています。
肥満や睡眠不足など、老化のストレスを増やす生活習慣が増えていますが、そうした生活習慣は精子の所見を悪くし、さらには精子のDNAを傷つける可能性があります」

精子を元気にする「7か条」
武田「検査を受け、問題があった場合、精子の劣化は改善できるんでしょうか」

小堀医師「現時点で科学的根拠があるものは少ないんですが、自分のライフスタイルを変えていく。
たとえば、睡眠不足、タバコ、肥満などを改善して、老化ストレスを減らすことで精子の状態が改善することはありえると考えています」


https://www.j-cast.com/tv/2018/02/08320776.html