「1991年6月に大阪から今の家に転居してきた。その1年後ぐらい」
 「当時は家の2階を長男の部屋とし、窓の内側に柵を取り付けて窓ガラスを割ったりしないようにしていた。
でも、暴れて、壁や食器棚、窓を壊すなどして耐えられなかった。
近所から迷惑だと怒られたこともあったし、もしも長男が外に出て誰かを傷つけてもいけないと考え、
プレハブの中に檻を作って入れた。仕方がなかった」

  「当初は施設に入れたいと思っていたが、今年1月に亡くなった妻が同意しなかった。
引っ越してきてから約2年後には市の担当者と電話でやり取りもしたし、自宅にも来た。
その時、もしかしたら何か指導を受けるのではないかと思ったが、施設の紹介などの対応は全くなかった。
長男は1月に施設に入所した」

 「2日間のうち半日、時間にすると約12時間は檻から出して食事を与え、風呂も入れていた。
それ以外の36時間は檻の中にいた」

 「簡易トイレを部屋に置いていたが、なかなか使わなかった。
部屋の中が汚物で汚れるので、毎回、妻が檻の下から手を伸ばして掃除していた。
その光景が大変そうだったので、ふん尿を吸収するペット用のシートを敷いていた」

 「当初はエアコンを設置していたが、ふん尿の臭いでエアコンが壊れ、3回も買い換えた。
その後、夏場は扇風機のみ使用し、脱水症状を起こさないように冷えたペットボトルの水を渡していた。
冬場はストーブで暖めていた」

 「虐待はしていない。食事も与え、風呂にも入れていた。
確かに檻に入れたが、監禁しているとは思っていない」


 「檻に入れ始めたころは家族旅行に連れていくこともあった。
檻の中に入れるのは仕方なかった。
今となってみれば25年ぐらいの間、太陽の下に出してあげられず、少し悪いことをしたと思っている」