ネコから感染するおそれのある病原体が統合失調症と関連しているーーそんなニュースが海外で非常に大きな話題となっている。
英「Daily Mail」も1月30日付でこの研究について取り上げている。

■感染症と統合失調症

最近の研究で統合失調症と関連が指摘されたのは、トキソプラズマ(Toxoplasma gondii)である。今年1月29日付で専門誌
「Brain, Behavior, and Immunity」に掲載された論文によると、デンマーク・コペンハーゲン大学病院が行った8万人以上が参加した調査の中で、
トキソプラズマの感染が統合失調症と関連している可能性が示されたというのだ

トキソプラズマはネコ科動物を宿主とする寄生性の原生生物である。健常な人がトキソプラズマに感染してもそれほど大きな問題にはならないが、
免疫不全の患者などで重篤な問題を引き起こすおそれがあるほか、妊娠中に初感染した場合は流産や胎児に悪影響を与える可能性が知られている。

今回の研究では、8万人の血液検体登録者の中から精神病歴のある2591人の検体について、トキソプラズマ症の抗体を検査した。結果、
トキソプラズマに感染していた人はそうでない人に比べ、統合失調症と診断される可能性がおよそ50%ほど高いことが示された。また、
血液を採取後に統合失調症と診断された28例のみに注目した場合、その関連性はさらに高かったという。また、サイトメガロウイルスについても
同様の調査が行われ、あらゆる精神疾患との関連や、自殺や自殺未遂と関連する可能性が示された。

https://tocana.jp/2019/01/post_19550_entry.html

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