月山師は、一般に、彫り、彫り埋め、盛り上げという順番で値段が高くなっているが、
実は彫り埋め駒より彫りの方が、手間がかかる。
彫り埋めは、砥の粉と漆を混ぜてヘラでぷくっと埋めてしまえば
基本的には出来上がりです。
ところが、彫り駒の場合は輪郭と彫り跡をきれいに仕上げないといけません。
彫り駒は、 圧倒的に手間暇と気合や魂も入れており、
ていねいにやるためには、 1日5、6枚で留めている。
彫り駒なら、盛り上げ駒の代わりにタイトル戦で使ってもいいのではと思います。
盛り上げの途中工程である彫り埋め駒に、彫り駒の倍以上の値段を付けるのは、
ちょっと疑問に感じます。

天竜師も、彫は、誤魔化しがきかないので、駒師の技術、上手、下手が、駒を見れば
分かるからなあ。・・・と言われてました。