駒飛び越える反則、固まる記録係 菅井七段「酸素が…」
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菅井の先手で午前10時に始まった対局は午後9時、終盤戦になっていた。
形勢は菅井がリードし、持ち時間各6時間のうち、残り時間も橋本7分、菅井は3時間以上と大差だった。
橋本は「形勢ははっきり不利。時間もないしダメだなと思っていた」と振り返る。

 そこで109手目、菅井が7九にあった角を持って▲4六角と指した。
この手は、6八の地点にある後手のと金を飛び越える反則手だった。
当初、橋本は「こんなうまい手があるのか」と思い、反則だと気づかなかった。6四の銀取りになっているため、2分近く受ける手を考えた。

 ところが1分ごと秒読みをしてくれる記録係が何も言わず固まっている。記録係はタブレット型端末を使って将棋ソフトに指し手を入力する。
ソフトは反則手は受け付けないため、指し手が入力できなかったのだ。

 橋本は記録係がミスでもしたのかと思い、秒読みを促しつつ△5五銀打とした。
それでも記録係の様子がおかしいので再度確認して初めて反則に気づいたという。
菅井を見ると放心状態で、言葉を発することもできない様子だった。

 「菅井君は勝ちだと思っていたでしょうから、つらかったでしょう。でも勝負だからしょうがない」と橋本。
実は橋本もNHK杯戦の準決勝で「二歩」の反則で負けたことがある。番組が放送されるまで1カ月ほど、結果の公表は禁止されている。
「反則負けしたのに結果を知らないファンから『頑張ってください』と言われ、精神的に相当きつかった」と振り返る。

 何もしゃべれない菅井に「僕も全然気づいてなかった。悪いね」と声をかけた。
隣で別の対局が続いていたため、感想戦はやらずに解散した。
 対局翌日、菅井から「昨日は負けましたと言っておらずすみませんでした」と連絡があったという。


なんだ、橋本も気付いていなかったのかよ!(笑)