将棋界のタイトルが7つになったのが「1983年」だから、タイトル総数で比較して意味があるのは
「1983年頃にはすでにタイトルを取れるようになっていた世代」以降の棋士同士での比較だけ
谷川17世が1962年生まれで1983年には21歳となるから、谷川以降の棋士同士の比較ではタイトル総数比較の価値がある
(その谷川ですら、中学生棋士としてデビューした頃にはまだ、ようやく棋王が6つ目のタイトルとして登場した頃である)

中原がプロ入りしたころは5タイトル、加藤は3タイトル、大山は1タイトル、木村は0タイトルの時代
7大タイトル時代はこの直近30年程度の話でしかない
谷川以降羽生、渡辺までの世代でしか比較するのに意味はない
この棋士たちの間で「羽生が一番だった」とやるのはある程度正しい
(ただし名人戦や竜王戦など重要な勝負では森内や渡辺を上とする説も成立し得る)

ただ7大タイトルの総獲得数や永世七冠をもって「大山や中原より上だった」とやるのは筋違い
羽生最強論がズレているのはここだね
彼らは7大タイトル時代の棋士ではないから タイトル総数で現代の王者が過去の王者を上回るのはある意味当然と言える

時代を超越して彼らと比較したいのなら名人獲得数で比較するしかない
名人をタイトルとして最初に獲得できたのは「1937年」のことで、それ以降将棋界の最も重要なタイトルとして存在している
「1937年頃にはすでにタイトルを取れるようになっていた世代」以降の棋士同士の比較に使える
木村14世が1905年生まれで1937年には32歳、塚田や升田や大山がこの後で登場してくるから
塚田升田大山以降の棋士同士の比較では、名人獲得数比較の価値がある
(木村14世には31歳以前に名人というタイトルを獲得できないハンデがあるので、比較する場合は必ず一言説明が必要となる)

名人在位は
大山18年 中原16年(15期) 木村12.5年(8期 ただし31歳以前は名人を獲得することができなかったため、本来はもっと上も狙える)
羽生9年 森内8年 谷川5年 時代を越えた比較での序列はこうなる