これ図があって面白いわ
https://shogi1.com/kiseisen-86-4/
棋聖戦第4局、反省し鬼と化した羽生善治棋聖が防衛。直前に打った歩をタダで成り捨てる▲6二歩成!これが羽生マジックか 将棋ワンストップ・ニュース 2015/10/21

2015年7月15日に行われた第86期棋聖戦5番勝負第4局

本局では、なんとも不思議な「羽生マジック」が炸裂しました。これをきっかけに羽生棋聖が鬼と化して勝利を呼び寄せました。

▲6二歩成!反省する羽生棋聖

ここで羽生棋聖がまさかの手順。
まず69手目、貴重な持ち駒の1歩で金の頭を叩く。
豊島七段は金を引く。
ここでなんと!!羽生棋聖が打ったばかりの歩を成り捨て。
後手が△同金とすれば盤上は4手前の局面になりますが、羽生棋聖の駒台からは歩が消えるという、純粋な歩損。しかも貴重な最後の一歩。
これは羽生棋聖自らが自分の失敗を認めて反省したような手。余程持ち時間がない時は、こうやって1歩を犠牲にして時間をかせぐ時もなくはないですが、羽生棋聖は約1時間を残してこの一手を選択。相当やりにくい手のはず。

棋譜コメントには以下のように書かれています
これはなんと! 思わず目を疑う手だ。(中略)だがそれでも、自身の間違いを認め、反省して成り捨てるしか、この将棋を戦う術がないと判断したのだろう。苦渋の決断に要した時間は27分。

解説の鈴木八段は「嘘でしょ」と驚き、自らも経験があることだが当時を振り返り「恥ずしかった」と話していました。

しかし数分後、鈴木八段は「羽生棋聖は鬼と化すような気がしますね」と話し、盤に向かう羽生棋聖を見て「見てくださいよ、ミスしたことなんかお忘れかのように盤上没我。さっき打った歩を成り捨てた人とは思えない。これはこれで勝負みたいな」と表現。
これをできるのが羽生棋聖の強さなのか

豊島七段はこの成り捨てを無視して△7七桂不成。
鬼となった羽生棋聖が「大人しく△同金としておけばいいものを!」と怒ったかはわかりません。
数手後、豊島七段は羽生棋聖が捨てたと金を取り、一度抜いた刀を収める形となりました。
鈴木八段は「偉い人ですね。(△同金としないと)勝ちが見えなかったんでしょう」と暴走しなかった豊島七段を評しました。
棋譜コメントには「豊島の反省返し」と書かれました

後手の攻めが不発に