小休止中になぜ総合ランキングがダメなのかをZ値で説明しよう
今週火曜日に棋聖戦の挑戦者決定戦の対戦が三浦九段と豊島八段で争われることが決定した
総合のZ値では中央値が三浦55.4、豊島43.6で、シミュレーション結果も豊島八段の294勝154敗 0.656と圧倒的に豊島の勝ちとなる
レート差も100なのでこの勝率は妥当なところだ
棋聖戦は5時間未満の棋戦であることや予想される相居飛車に戦型を限定したZ値でシミュレーションしてもあまり変わらない

ところが、居飛車党同士の勝負でもっともモノを言うのは振りゴマなのだ
前局の稲葉戦は三浦は先手番で勝っているが、これは先手番が功を奏したと言える
(Z値シミュレーションでは三浦は先手番のほうが稲葉に対して相性がいいという結果が出ていた)

今回は三浦は得意の後手番を握れればいい
後手番なら44勝46敗 0.489で互角といってよい
Z値も中央値が後手番豊島46.7に対して先手番三浦49.6でさほど違わない
逆に豊島が後手なら三浦の勝ちはほとんどない
三浦の7勝28敗 0.200というシミュレーション結果になる
Z値はこうした違いを探るのに適している