一段落できたので、Z値をどのように応用しているか復習を兼ねて木曜日の羽生竜王vs木村九段の王位戦を占ってみましょう
まず相居飛車になることは間違いないですが、Z値でシミュレーションすると羽生の354勝179敗 (0.664)です
Z値の中央値は
羽生 39.9 木村 59.4

この棋戦はB棋戦(持ち時間5時間未満の棋戦)なのでB棋戦でのシミュレーションでは羽生の18勝21敗 (0.462)となり、まったく予断が許されなくなります
羽生 49.9 木村 60.0

B棋戦で中央値に差があるのになぜ予断が許されないかというと木村九段が3月の棋聖戦で完勝しているからです (Z値22.07)
先手角換わりの将棋で隙がない指し回しでした
もちろん竜王のタイトルを獲得したあとの羽生竜王ならB棋戦でも大丈夫なのではないかと思いたいでしょうが、
やはりB棋戦は取りこぼしもあります

もしこれが王座戦のようなA棋戦なら羽生の213勝67敗 (0.761)となり、羽生ファンは安心できました
羽生 34.8 木村 56.9

棋戦の区別なしで相居飛車の先後で見てみると羽生先手なら羽生の58勝6敗 (0.906)
羽生 27.5 木村 71.7
羽生後手なら羽生の35勝25敗 (0.583)
羽生 30.8 木村 34.5

どうやら、木村九段は先手番と後手番では勝敗以上に内容が異なる面があるようです
振りゴマの結果が大きく勝敗に影響しそうだとわかりました