「今回はノーコメントにさせて下さい。お話しする事はありません」
怒気を滲ませた堅い口調で話すのは、将棋棋士の森内俊之九段(46)である。
温厚な性格で知られる森内九段が不快感を示した理由は、弟子の竹俣紅女流初段(17)にあった。

竹俣女流初段について、森内九段に電話で話を聞くと、冒頭のように答えた後で、言葉少なに語った。
──竹俣女流初段を破門したという話も聞いたが。
「そんな事はありません」
──では一年後、彼女が復帰した時はまた師匠として指導にあたるという事か?
「(長い沈黙の後で)いや、今回は取材を受けませんので。お答えできません」