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http://live.shogi.or.jp/oui/kifu/59/oui201808290101.html
棋譜中継
2018年8月29日〜8月30日 第59期王位戦七番勝負 第5局
菅井竜也王位 対 豊島将之棋聖

32手 △23銀
13時51分、控室に里見香奈女流四冠が訪れた。さっそく先手側に座って、藤井猛九段と継ぎ盤を挟む。藤井猛九段がある話題を出して、会話が弾んだ。
佐藤天彦名人が四段時代に『週刊将棋』の企画で出雲まで夜行バスで遠征し、里見香女流初段(当時)と対局したというエピソードだ。里見香女流四冠はデビュー当初、対局のたびに出雲から長距離を移動していた。その逆に挑戦する企画である。里見香女流四冠が「ありましたね」と笑うと、「もう10年以上前ですよね。懐かしい」と里見咲女流初段。
継ぎ盤の上では、ここから▲3七桂△3二金▲4六歩△4二金右▲4七金△1二香▲2五歩△1一玉が調べられている。武市七段は「▲2五歩が取れないのではなあ」と首をかしげる。以下▲2四歩△同銀▲2七銀△2二金▲3八金△3二金右は振り飛車の模様がいい。
検討が進み、ここで▲5九角という案が出た。飛車の利きを通して7筋からさばきを狙う。「藤井理論では角を引いちゃいけないんだけどなあ」と藤井猛九段がつぶやく。しばらくして、▲5九角は△6三金と受け止めておけば、先手からそうそう大技は出ないという結論に。藤井猛九段は「やっぱりこのラインで使わないと」と、先手の角と後手玉を結ぶラインを指で示す。

33手 ▲59角
14時41分、ついに菅井が着手。50分の長考で、消費時間が逆転した。「藤井理論」に反する角引きだが……。「やっぱり引きますよね。あのラインでシュートしちゃうと、カウンターをもらって危ないですから」と藤井猛九段。

34手 △63金
7筋の守りに金を動員。金銀がバラバラになるので怖いが、飛車を押さえ込むことができれば十分な見返りがある。