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『奨励会入会の同期は野本虎次七段で、翌年に勝浦修九段と石田和雄九段、翌々年に森けい二九段が入会した。奨励会の中で紅一点といえば聞こえはいいが、対抗意識を燃やされたこともあったという。
「タコちゃんに負けたら坊主頭になること」と約束が奨励会員同士でかわされ、実際に森けい九段が坊主頭になったようだ。
特別の昇級規定(8戦して指し分けなら昇級)が設けられたこともあり、蛸島は高校三年生で1級になる。そこから昇段規定勝数を得るまでに2年余りかかった。
激しい自己嫌悪のなかで、次の言葉が精神的な落ち着きを与えて、昇段のきっかけになったという。
「人生で本当に大切なことは、人よりも早くということではなく、牛のごとき歩みでもよい、静かに健やかに、そして遠くまでということだ」
昇段したのは20歳のことだった。』