⬜羽生が対談で語ったことに「高速道路を走れるようになったが、走り抜けた先は大渋滞」というのがある

ソフトの進化で研究がしやすくなり過去にないペースで強い棋士が増殖した
しかし、それはプロ棋士のレベルが底上げされただけのことで、トップ棋士が前以上に強くなったわけではない
だから、大渋滞を起こしている
そこを勘違いして昔の大山など歯が立たないほどに今の棋士は強くなっているとか、レベルが上がっているとか、頓珍漢なことを言う素人がいる

終盤の手筋もソフトが新しいものを出している
これからも出るだろう
こうしたことでも素人が今の棋士のほうが強いと勘違いするようだ
だが、よく考えると、そうした新手筋はたちまち共有されてしまうので今の棋士の優位性には繋がらない
大山も現代将棋のエッセンスの講義を一度受ければ瞬時に吸収できてしまうだろう
では強い棋士と弱い棋士の違いは何なのか

それは戦略戦術に長けていて難しい局面でも攻めの手から受けの手まで素早く精査でき、その中から最善の手を峻別できる能力だ
この能力に個人差や年齢差があるから同じプロでも9勝できる棋士と1勝しかできない棋士かいるのだ