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将棋界の歴史が動いた!藤井聡太七段初優勝など2018年を振り返る 遠山雄亮 | 将棋プロ棋士六段、モバイル編集長兼プロデューサー 2018/12/31(月)
(抜粋)
 藤井(聡)五段(当時)が本戦で勝ったメンバーは、澤田真吾六段→佐藤天彦名人→羽生竜王(当時)→広瀬章人八段(当時)
 このメンバーをゴボウ抜きしての優勝は驚愕の出来事だった。
 決勝の相手である広瀬八段(当時)は、年末に竜王を獲得して2018年に輝いた棋士の一人だ。
 その強敵を相手に見せた次の一手は鮮烈だった。

第11回朝日杯オープン戦決勝 ▲藤井(聡)五段(当時)−△広瀬八段(当時)
 ここで▲4四桂のタダ捨てが決め手となった。
 △同飛に▲4五歩と飛車道を止めて▲3七金と角を取るのが狙いだ(すぐに▲3七金は△4九飛成と飛車を取られる)。
 後手玉は薄いので、攻めが続いてはひとたまりもない。
 藤井(聡)五段(当時)の、決勝のプレッシャーを感じさせない指しまわしが印象的だった。

八大タイトルを8人で分け合う戦国時代
 7月に豊島将之八段(当時)が羽生棋聖(当時)から棋聖を奪い、念願の初タイトルを獲得した。
 それにより八大タイトルを8人で分け合う、実力拮抗を象徴する歴史的な瞬間が生まれた。

羽生九段が27年ぶりの無冠に
 平成元年に初タイトルを獲得した羽生九段は、平成の最後についに無冠へ転落した。 2018年は、
名人戦:2勝4敗で挑戦失敗。
棋聖戦:2勝3敗で防衛失敗。
竜王戦:3勝4敗で防衛失敗。
 結果的にはタイトルを失ってしまったが、どれも僅差のものであり、巻き返しの可能性も高いと思われる。

2019年はどんな歴史が生まれるか?!
 将棋界は年初から見どころが尽きない。
・棋王戦五番勝負で、渡辺明棋王に絶好調の広瀬竜王が挑戦!
・無冠に転落した羽生九段は名人挑戦なるか?
・王将戦七番勝負で、久保王将は振り飛車の牙城を守れるか?
・藤井(聡)七段の順位戦連勝記録更新とB級2組への昇級はなるか?
 ぜひ2019年も将棋界にご注目いただきたい。