藤井聡太七段はちょっと矛盾した表現で回答している。
先手必勝か引き分けかと想像しているが本当のところはわからない。
そして最近先手の勝率が極端に振れているのは心理的な面が大きいのではないかと言っている。
現実にソフト同士の戦績を見れば先手の勝率は55%超えているケースがほとんどなのに・・・

木村 最近のトップ棋士の対局を見ていると、先手の価値が高まっているように見えます。

 藤井 確かにタイトル戦の結果を見ても、先手の勝率が高いという印象は受けるのですが、その要因が、初期配置におけるわずかな得によるものだとは、個人的には考えづらいと思います。

 木村 どういう点に由来しているのでしょうか。

 藤井 人間同士の対局なので、心理的な要因があるのかもしれません。

 木村 振り駒で負けると、ガクッときますか。

 藤井 昨年は比較的後手番が多くて、ちょっと気にしています。

 木村 将棋は先手必勝か、後手必勝か、引き分けか、どれだと思いますか。

 藤井 それは……。将棋の神様に聞いてみないと。でもやはり、先手必勝か引き分けである可能性が極めて高いと思います。

 木村 一日中、将棋の研究をしても成果が出ない時、どう思いますか。

 藤井 1日という単位で目に見えて強くなることはないです。もっと長いスパンで見て、判断します。

 木村 そのスパンはどれぐらいでワンセットですか。

 藤井 3カ月ぐらいです。今は中盤の局面評価に重点的に取り組んでいますが、改善するまでにそれぐらいかかったかな、と。

 木村 成果というのは、序盤が理解できるとか中終盤が少し見えるようになるとかでしょうか。

 藤井 例えば、以前はあまり考えなかったような手を考えることがあります。選択の幅が変化したなと感じることはあります。