これは将棋界のタブー中のタブーなので、マスコミに報道されたことはないし、ネットで検索しても絶対に出てこないが、
大相撲で「星を売る」という隠語の八百長があったのと同様にかつての将棋界では「駒を売る」という行為が横行していた。
対局中、有利になった棋士が、持ち駒の例えば「歩」を「1万円で売ろうか?」などと相手に持ちかける。
駒の値段は局面により1万円〜1000万円まで幅があったという。

この行為は、「この局面ならこの駒渡しても優位は動かない」と判断する場合と、「この一局は落としても問題ない」ともちかける棋士が
判断した場合に行われていた。
大相撲の場合、相手を取り持つ力士がいたのと同様。ここでは記録係がその任を負った。もちろん記録係にも
報酬が支払われた。

売買が成立した場合、棋譜は記録係が整合性を保つために改竄していた。
この副収入で都内に家を建てた記録係もいると噂されている。改竄にはセンスがいるので、上手い記録係は重宝されていたという。

ネット時代になり、常時カメラで中継されるようになった現在ではこの悪習はなくなり、現在では行われていないが、
最近行われたある棋戦で、ベテランの解説者がある局面で、
「歩は売るほどありますね〜」と軽口を叩いた事からも、近年までこの行為が行われていたことは想像に難くない。
なおこの解説者は、放送後、連盟から厳重注意された。