ファナック、国内に工場・研究所新設 1300億円投資
2015/2/16 2:05
 ファナックは2016年までに1300億円を投じ、国内に工場や研究所を新設する。
工作機械の頭脳となる数値制御(NC)装置を部品から一貫生産する工場を栃木県に新設し、山梨県にはNC装置やロボットを研究開発する新棟を建設する。
NC装置は工作機械の自動化に欠かせない重要部品。
世界シェア5割を超える戦略部品に積極投資し、世界で高まる自動化需要を取り込む。
 稲葉善治社長が日本経済新聞社の取材に応じ、明らかにした。
栃木県でNC装置など工作機械の動作制御を担う機器を生産する工場を4棟建設し、山梨県の工場と合計で生産能力を4割増やす。
100人を雇用し、16年10月に稼働する予定だ。
 投資額は約1000億円。
部品からの一貫生産により投資額は当初想定の2倍に膨らむが、コンベヤーの活用や自社のロボット導入で「既存工場に比べ生産性を1割以上高める」(稲葉社長)。
 NC装置は工作機械を自動で制御するもので、部品や金型を作る際に加工精度を高める役割を持つ。
最近では中国やインドなど新興国でも品質安定や賃金上昇でNC装置を搭載した工作機械の需要が高まっている。
需要動向に応じて栃木でさらに能力増強を検討する。
 山梨県の本社地区では研究所を拡張する。16年5月までに300億円で4棟を新設する。
技術者の採用を進め、NC装置から工作機械、ロボットまで幅広く研究を行う。
 ファナックを巡っては今月上旬、「物言う株主」として知られる米投資ファンドのサード・ポイントが株式を取得していたことが判明。
約1兆円の手元資金を有効活用し、自社株買いをするよう提案を受けた。
稲葉社長は「本業を伸ばす地道な活動で企業価値を高める」との姿勢を強調した。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ13I6U_V10C15A2MM8000/